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デヴィッド・ボウイ ムーンエイジ・デイドリームのmkmのレビュー・感想・評価

3.5
先にお断りしておきますが、めちゃくちゃ大ファンってわけじゃないです。
Space Oddityは綺麗な曲だと思う。Rebel Rebelのリフが好き。アルバムLowは一時期結構聴いてた。それくらいのレベルです。

もともと初期の彼には苦手意識がありました。なんだか発言がいちいち小難しいというかスピリチュアルな傾向を感じるというか、音楽自体はかっこいいけどなんか残念な人だと思っていました。言葉を選ばず思ったことをそのまま書くと、「なんだこいつ統合失調症っぽいな」というのが印象でした。(ごめんなさい)
そう感じさせていた原因が作品の中で語られていて、ご本人も「アートセラピー」と表現しておられました。納得。

思っていたよりも語りが多いです。「特別彼に興味は無いが友達や恋人に付き合って見に来た」という人だったら特に中盤はつらかったでしょう。
かと言ってゴリゴリのファンを満足させられる作品かと言ったら、それはそれでちょっと足りない気がしました。
ティン・マシーンやアンジー・ボウイは登場しません。ドラッグの話にも触れません。彼にとって黒歴史的な部分は必要最小限に抑えられてしまっています。

なんか悪い感じで書いちゃいましたが、個人的には満足しています。音響設備が整った大画面にライブ映像が流れた時は本当にライブに参戦しているかのようで、気づいたら身体揺らして口パクまでしていましたし、相変わらずコイツ何言ってんだとは思いつつ、以前よりもデヴィッド・ボウイという人物に歩み寄れた気がします。旅行中の力が抜けた感じがとても素敵でした。

余談ですが、ちょうどこの作品を見る直前に戦場のメリークリスマスを35mmフィルム版で鑑賞していました。
こちらで綺麗に修復された映像が流れて、今の映像技術すげーーーと感心しました。
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