森村バイヲ

デヴィッド・ボウイ ムーンエイジ・デイドリームの森村バイヲのレビュー・感想・評価

5.0
ボウイの長いキャリアにおける様々な状態や姿が、それぞれの時代背景としての映像や(恐らく)ボウイが影響を受けたものたちを合間に差し込みながら、断片的に綴られてている。
そのコラージュは、まるで月齢の移り変わりのように、まるでパラパラ漫画のように展開され、シーン毎の印象が次に繋がったり、過去と未来が伏線同士として折り重なっているように見えたり、「変化」のアーティストとされるボウイの中にも、強い「一貫性」があったことを改めて意識させる作りになっている。
連続/非連続、差異と反復、リゾーム的構造を持つ本作はドゥルージアンの実践のようでもあり、その実践はボウイのとある一面を映し出すことに成功しているように思えた。
コラージュと強い色彩の中で再構成されるボウイは、まるで白昼夢のように、音楽のように、映画が終わっても、私の周囲を漂い続けている。
森村バイヲ

森村バイヲ