近本光司

手の近本光司のレビュー・感想・評価

(2022年製作の映画)
1.5
おじさんにときめく若い女。中年男性との逢瀬の数々がスナップされていくのかと思いきや、結局行き着くのは同年輩の男の子であって、それでいて中年男性の幻想を増長させるようにもなっていてタチが悪い。いまロマンポルノの企画で作品をつくるのだとしたら、若い女性たちを性的に消費しようとする中年男性の浅はかな幻想を完膚なきまでに叩きのめしてから、なおも彼らの寄る辺なき実存を掬い出すものになっていないといけないのではないかなあ、と中年男性に差し掛かりつつあるわたしは思うのでした。ジャンルとしてはあくまでアクションに分類される日活ロマンポルノを、会話劇として復権しようとしている試みはわかるんだけど、それならポルノである必然性はまったくないのではないかとスタート地点に回帰する。退屈きわまりない邦画という感じ。津田寛治のアロハシャツは唯一ウケた。