ラピュタん

手のラピュタんのレビュー・感想・評価

(2022年製作の映画)
4.5
新しいロマンの時代の幕あけ

え、ひょっとして純愛もの?
まさかではない、傑作! 

第一に、おじさん愛にあふれていました
ニヤニヤ、ムフフ、キュン&きゅん
そしてしっかりムラムラもあり…
ほぼ全編にわたってずっこけポイント付き
なので、コミカルな味付けが楽しめます

第二に、福永朱梨さんの表情を多彩に引き出した
松居大悟監督の手腕が将にビンビンに光っていました
おじさんの中のおじさん賞を贈られたのは
津田寛治でして、昭和なおじさん感に満ち満ちていて…かわいそうなほど😉

金子大地はだんだん良くなり、すごくリアルな若者を演じ切ってました
ベッドでのああいった時でしか見せない、ともすると陳腐な言動を忠実に再現していて…誰しもどこか自分と重ね合わせることができるのではないでしょうか?😉

娯楽作ではありますが、観る小説のようでもあります
これからロッテルダム映画祭に出品されるようですが、福永さんが主演女優賞をとるのではないかと思ってしまう 監督賞も、意外にもあり得るかなと

(こちらあみ子、がライバルですね!!)

さらに、画の醸し出すレトロ感は特筆もの
また、どの屋外シーンでも、背景となる街角の美が切り抜かれていてハッとさせられます
おじさんたちの姿もステキでした(新鮮!)
若い松井監督が感じているであろう、おじさんからにじみ出るオーラ✨の数々にニンマリ☺️
座る時の、「よいしょ」
(つい出てしまうのが昭和人間ナノダ)

「懐かしくて」 「あー、癒される」

主人公は家庭内で浮いているのですが、おじさんには優しい
基本、大きなお世話だっ!キモッ!って助言をするおじさん(たち)を拒絶せず、ちゃんと諭しもする優しさ
この意外性のある優しさに、じいいんとしてしまう
(現実はコンナニアマクナイ)

男は、3つの年齢層が関わってきます
高校生、若い社会人、そして父親世代
それぞれに特有の痛さがまた気恥ずかしくて

原作(山崎ナオコーラ著)がよいので、
内容も深かったです


抑えて抑えて堪えてきたものが、
ラストに融けてあふれだす 名シーン

図らずも流涙してしまったのでした…
観てよかった!!


成人向けですが
男性なら若きから 女性もかなり楽しめそう
夫婦での観賞はありでしょう


⭐️最後に泣いていた彼は…
 好きだという気持ち以上のことが言えず
 現実的に言うべきではなく…切ない
⭐️彼女が求めていたものは、普遍的なもの
⭐️父親は影として描かれていますが
 父親視点の描写は過剰になるためカット
 父親役の金田 明夫はSWシリーズで有名なよう
 例えばボバ・フェットの吹替え声優です
⭐️いいじゃないか、おじさんで!
 格好つけないおじさんを等身大のまま
 ステキに描いているのは日活の伝統?
⭐️どのシーンも非凡もしくはクスっ
 逆にB級感はなくて洗練されてます
 (ロマンポルノは個人的に初で比較不能ナノデスガ)
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