福野ふくろー

手の福野ふくろーのレビュー・感想・評価

(2022年製作の映画)
4.8
おんもしろい!!!
「人のセックスを笑うな」の山崎ナオコーラ原作×「ちょっと思い出しただけ」の松井大吾監督なので、ワクワクして観たけど想像以上でした!!

まず設定が面白い。
イキってきたり、この世のあらゆることに気づいていなかったりする“おじさん”という生き物を“可愛い”と感じ、おじさんとばかり付き合う主人公さわこ。基本コメディチックに描かれ、でもその意味がラストの家族のじんとくるシーンに繋がるのもスマート。

ずっと強がってるさわこが最後涙で崩壊するのもいい。とても人間らしく、愛しくかんじる。

さらに「手」にフォーカスしてるのも文学みを増させてる。
おじさんのセクハラの手、オナニーする手、男女の繋ぐ手、などなど
画角的にも手にフォーカスしてあるところが沢山あり
後半の「手は嘘をつく」の言葉は痺れる。

父親を求めてたということか。穴を埋めてたのかな。
現代版女性源氏物語といったところか。言い過ぎだけど、根本はそんなかんじ。

いやーほんと面白かった!

特に好きなシーンは、
・さわこの妹の初体験で「せーのでいれる?」「せーのでいれよう!」って言い合うシーン。斬新すぎ笑
・クズ男の最後やりすぎなくらいの泣き顔。馬鹿すぎ。
・序盤のさわこがおじさんに対して「謙虚そうに見せて誰もが思い通りに動くと心の底では思ってる」っていうのエッジ効いててかっこよすぎ。