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手のmanamiのレビュー・感想・評価

(2022年製作の映画)
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不器用な人ばっかり出てくる。いろんなタイプの不器用。主人公さわ子は処世術としておじさんあしらいを身につけたなんて言ってるし、おじさん達とドライな付き合いばかりしてるけど、一緒に暮らす父親とはぎくしゃくしている。他の登場人物も不器用率高い。「不器用な人図鑑」的映画。
時間の割合としては、さわ子と男達との描写が多くて、とにかく営みまくる。ただ、さわ子の精神的な割合としては、父親との関係の方が重かったんだろうな。
それを少しでも救ってくれたのが、森さんだったのか。ってか、森さん、いや、森!すっごく良い男じゃないか、おじさん達とは縁を切って彼と幸せになれよと応援してたのに!キュンキュンしてしまった時間を返してくれよ!
でも、森も、不器用な男であり、さわ子の周りにうじゃうじゃいる不器用なおじさん達の予備軍的存在なのね、きっと。「女の子って…」とか「女の子は…」って決めつけるようなおじさんにはならないでね、水族館が好きじゃない女もいるからね。
さわ子も言ってた「女の子」って呼ばれることへの嫌悪感も、外見ばかり褒められることへの苛立ちも、とてもよく分かる。そういうことする人とその後もああいう関係でいられることは理解ができないけど。
カラオケで、ってパターン多いけどさ、各部屋にカメラついてるよね?ドアも廊下から室内見える仕様になってるよね?いや、そうでなくてもあんな所でなんて絶対ムリだわ。
あと初体験中に電話してくる彼女も、笑えるけど理解不能。笑えるんだけどね。彼女は大物だよ、彼氏はこれからよほど頑張らないとだよ。
共感できたのは、「キスもその他の行為も、男の人は自分がしたことのように言うけど、実際には二人でしたことだから」「そうか、共同作業か」というような会話。本当にその通りです。世の男性諸君には肝に銘じてほしいです。
最後、彼の泣き顔は情けなくてだらしなくて過去ばかり見ているけど、その後の彼女は前を向いて泣いている。「そばにいる人を、めちゃくちゃに愛したい」って、結局、父親のこと、もっと言うと自分自身のことだったのかな。

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