じぇいらふ

百合の雨音のじぇいらふのレビュー・感想・評価

百合の雨音(2022年製作の映画)
2.3
日活ロマンポルノ・ナウ③👩🏻❤️👩🏻‍💼

最後3作目は、平成ガメラシリーズ、デスノートシリーズで有名な金子修介監督。初期の作品としてにっかつロマンポルノを実際に監督した本家ロマンポルノ作家による、ロマンポルノ・ナウはこれだ!という作品。してその結果は、、、、、んーー色々古くさい😅つまんね😅😅、、、しかしこれが一番イメージするロマンポルノなんだよねえ、という問題。

爪を切る女。回想。女子高生同士が雨の中絡み。思い出して自慰〜はじまり

ある出版社。レズビアンであることで学生時代にトラウマを負い恋愛に臆病な葉月。編集長の妻であることで出世したと揶揄され、その上夫とはすっかり冷え込んでる副編集長の栞。葉月と栞はひょんなことから、二人の深い世界へとはまってしまう。。。というおはなし

古くさい、つまんね、とは言いましたが、楽しめないわけではないです。前2作品の現在作るロマンポルノとしてのあり方に、いわゆるロマンポルノとは?成人映画とは?というのを考えるにはいい作品です。つかツッコミだらけで逆に面白い笑。

以下ネタバレあり↓↓










開始早々主人公葉月=小宮一葉の自慰はじまり~その後5分くらいでエロ編集長と葉月の同僚と会社の会議室で不倫プレイスタートという、10分ごとに絡みを入れるルールに非常に忠実、というかそれ以上に次々といたしてる作品笑。

副編集長栞=花澄(この方知らない女優さんですが、なんだか綺麗でも若くもない絶妙なB級感がとてもロマンポルノですな)は、夫のエロ編集長の子供が産みたいと迫るが、相手してもらえない屈辱。意を決してエロ編集長夫に挑むのだが、、、この辺のやりとりが、意図せずひたすら珍妙でこれまたロマンポルノな感じです。つか、この方登場する度に狙いなのか趣味なのか不明な古くさい柄の衣装連発でなかなか楽しませてくれます。回想シーンで二人がそのままセーラー服着て登場するのは、さすがにイタすぎてどうか?笑と思うが、それもポルノ映画あるある笑。

それぞれに抱える悩みを持つ二人が、いきなりレズプレイ展開に突入するのですが、一応葉月はレズでも栞はノンケなのに、これすんなり行き過ぎじゃね?という疑問がありますが、どうも栞もその気があったらしいということで進みます。こうして、百合ワールドの設定スタート。この後ひたすら、いろんなパターン、組み合わせで絡みが始まる、非常にある意味正統的なロマンポルノ、成人映画の展開が続きます。

前2作と決定的に違うのは、このエロ編集長が女性が嫌ういやらしいおじさん要素を一手に引き受けて、ひたすら女性に対して一方的にふるまい、なのにやたらモテるクソ親父ぷりを発揮しまくる所です。おじさんの絡みが一切無い前2作品とは対称的。この辺も伝統的なロマンポルノに忠実であります。男は好き放題やる、女はそれに振り回されるという関係性、、、まあしかしこれを今やるかなあ😅

今作はレズビアンであることで社会と葛藤があるという前提によるドラマが展開しますが、『愛してる!』で全く葛藤とは無縁の愛を表明していた潔さの現代性とは対称的です。いちおう会社で明るみになって、LGBTうんちゃら理解しなきゃねみたいなシーンあるんですけど、すごく表面的でとってつけた感は否めないです。ここら辺年代の違いなんだろうなあと思ってしまいます。多分、監督自体が同性愛は異常で悩ましいことである~というイメージから全然抜け出していないっぽい。

音楽が酷いです笑。なんか尺八っぽい音色の和風メロディと響き。冒頭ん?これ時代劇?江戸??と思いましたが、違いました笑。このなんだか安っぽい感じのBGMが、絡み中、回想シーン問わずひたすら流れ続けます。なに拷問?笑。映画における音楽使いすぎ問題というか、イメージビデオですか?というね。これが一番古くさい。これはもう演出の問題。

、、、さて3作全部観ましたが、色々ダメダメだと思っても、この作品が一番ロマンポルノぽいです。そうすると、現代的に作品を作ろうとするとロマンポルノっぽさからは離れてしまう感は否めないです。やっぱりあの時代のスタイルであって、現代だと色々合わない所があるなあというのが感想です。一方一般映画で、これ以上に絡みだらけのR15作品もあるので、なかなかこれぞロマンポルノだ”!!というのは難しいですよね。ならば、あくまで日活ロマンポルノというブランドとして、毎年作ればいいのでは?様々な監督にオファーして自由に作ってもらう。それぞれの監督の考えるロマンポルノを表現してもらう~そのお題に徹すれば、逆に面白い企画になり続けるかもと思いました。

次は、本命、城定監督おねがいします🙏すっごいエロいやつ笑✨