監督・脚本 工藤将亮
リアリティが凄まじい。
凄まじすぎて痛いくらいなんだ。
この救われない生活は、なにも沖縄だけの話ではないと思う。東京でも地方でも、救いを求めても救われない中で、歯を食いしばって少しでも明るく生きようとしている人たちは、たくさんいる。
その人たちの生活のあるがままを覗かされている感覚に陥ってしまったよ。
主人公を演じる花瀬琴音の演技には脱帽だった。
彼女のリアリティある演技が、ストーリーに真実味を与えてたな。
経済的に困窮した生活感のある部屋のディテールの作り込みも細かいし、沖縄コザの湿った路地裏は匂いまで感じてしまったよ。
全編に渡って、監督の光と影をうまく使った絵作りやカメラワークが、観客に主人公の葛藤や絶望をドーンと伝えることに成功している。
ラストシーンは、逃げ場が無かったんだね。色んな意見があるだろうけど。