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遠いところのhokaのレビュー・感想・評価

遠いところ(2022年製作の映画)
3.0
子供の年齢が二歳なら、中学生出産という事になり、父親は別の家庭があり、失踪していた母親は刑務所に収監されている。

おばあは、厳しくも味方になってくれるが、経済的な余裕はない。

16-7でキャバクラの仕事を覚えてしまったら、真っ当な仕事の収入に労働意欲が削がれるのも判らないではない。

一方夫のマサヤとの馴れ初めも見えないが、家族が崩壊している彼女にとって、唯一の拠り所であっただろうことは、想像に難くない。

しかし彼の為人の描き方が一辺倒である為、そこに至った経緯が見えない。

あれだけ一方的に迷惑やトラブルをかけられても、離婚しようとしなかったのは普通に考えると不可解だが、彼には見捨てられない何かがあったのかも知れない。

あれだけ酷い目に遭わされる事が常態化していたのなら、刑事事件だし、父親が扶養義務を放棄しているなら、軽く生活保護申請案件だろう。

十七歳という参政権を持たない少女にラジオから流れる沖縄地方行政の方針内容が空虚に響く。
その空虚な美辞麗句にでさえ、生活困窮者である彼女を救う言葉は無い。

工藤将亮監督と主演の花瀬琴音さん、双方共沖縄出身者では無いので、どこまで現地のリアルを描けているのかわからないから、どちらかと言えば、ラジカルに貧困の連鎖と地方行政の不備と経済不況を描くために沖縄を舞台に選んだだけかも知れない。
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