ルイまる子

遠いところのルイまる子のレビュー・感想・評価

遠いところ(2022年製作の映画)
3.9
沖縄コザにある『シアタードーナツ』という小劇場は社会の隙間から底流に滑り落ちた人々の声を届けようとする、そういうタイプの映画ばかりを取り扱う、気骨溢れた映画館だと感じました。沖縄の中央にある街『コザ』で本作を視聴。まさにコザが少女の住む街。米軍基地近くの繁華街、売春地区だったり、その名残りを感じさせるが今では米兵も居らず閑散としている。コザで生まれ育った17歳のキャバ嬢が2歳の子供と生きて行く姿を描いている。


主役のアオイ役、花瀬琴音さんが素晴らしい。もう目が離せなくなってくる。彼女は1ミリも悪くないよと言いたかった。社会が悪い、親が悪い、DV夫が悪いのに、「そんな風になってしまって」と、皆アオイを自己責任と責める。誰も手を差し伸べず、言葉は宙を舞う。


「困った時はいつでも相談してね」


というソーシャルワーカーの言葉は虚しい。彼女だけがリアルだ。他の大人はおばあ以外は(年を取りすぎているから無力)皆腐ってしまっている。死ぬしかないのかな。なんとか踏ん張ってもらいたいし、この先コザも、大阪の新世界みたいに歴史を感じさせる良いところだけを残し新しい都市計画で発展させてほしいな。(ホリエモンも世界一の観光地、ハワイ<沖縄と言ってるし)
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