のき

遠いところののきのネタバレレビュー・内容・結末

遠いところ(2022年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

唾奇の主題歌きっかけで鑑賞。
働かず育児にも介入しないDV男に振り回されながら、生きるために自分なりに精一杯の育児と夜の仕事を頑張る主人公の女子高生。たまに子どもを放って友達と朝まで遊ぶ様子も18歳らしく、沖縄のリアルがそのまま描かれた描写が良かったが、途中から旦那の暴力沙汰での借金、支えだった友達の自死など、救いのない不幸の重なり方が、演出としてやりすぎ感を感じた。
最後は文字通り子どもを連れて遠いところへ行ってしまったが、こんな苦し過ぎる世の中で、子どもに自分のような思いをさせるくらいなら解放してあげようと決めた母親の、ある意味究極の愛情だなと感じた。
犯罪や児童虐待などの社会的背景には、一人ではどう足掻いても抜け出せないような深刻な貧困問題があることが多い。そうした社会の闇に目を向けず、目の前の事象だけを見て物事を安易に判断してはいけないが、行間を読もうとしない大人が増えてしまった気がする。

体当たり演技の主人公の女優さん、リアルな演技がとても良かった。
のき

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