17歳のアオイは幼い息子を育てながらキャバクラで働き生計を立てていた。
夫マサヤが突然仕事を辞めたことで生活が苦しくなり、同じ時期にアオイもキャバクラで働けなくなってしまう。
隠しておいた貯金を持って消えた夫、お金がなくなり追い詰められていくアオイの歩む道。
働かずにヒモになり、都合が悪くなるとアオイに暴力を振るうマサヤが最低の男でゾッとする。
子育てにも非協力的で、アオイに仕事をさせてラクしようとする考え方が滲み出ていて胸糞悪い。
マサヤの母親も同じような人間で、負のループはいつまで続くのかと恐ろしくなる。
アオイの父親は女は楽して稼げていいよな、とどこか女性を見下す発言で悲しくなってくる。
この映画は最悪の状況がひたすら続く。
もしかしたら助けてくれるかも?別の道があるかも?なんて考えていても、現実は甘くない。そうはならない。どうしようもできないという絶望感を与えられる。
生きるためにやりたくないこともやらなきゃいけない。息子のために嫌なことも我慢して生きていくしかない。日々を必死に生きるアオイの心が壊れていく過程を観ているのが辛かった。
救いようがなく重く苦しい映画で、この映画を観て考えることは沢山ある。
親は選べない。環境は変えられない。
教養がなく学歴がないと選択肢が狭まって正しい道を選べないかもしれない。
ポスターにも書いてある通り、これが現実なのだとしたら私たちに何ができるだろうか。