yoruhanemui

遠いところのyoruhanemuiのネタバレレビュー・内容・結末

遠いところ(2022年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

もし主人公アオイが子どもの幸せだけを考えるのであれば、アオイは子どもを道連れにしようとは思わないのではないか。
でも、きっとアオイは自分の救い方も分からない。
愛し方も愛され方も分からないのかもしれない。
それがとてもやるせなくて苦しくて悲しい。

映画を見ていてアオイに手を差し伸べたくなってしまうけれど、でも彼女はそんな客観してる私たちの手を跳ね除けるんだろう。
だって彼女は(そしてその状況は)苦しくて仕方がないから。

彼女が傷を負っていってしまったのは、悪意のある他者やそして貧困や社会の構造が原因であるのだけれど、それでも悪意のなかった人もいたはずだった。
そんな一片も感じられる映画でした。
それが一層現実的で絶望的で笑、映画的で悲しく素晴らしかった…!

沖縄の貧困の問題を知りたくて見ようと思った映画でした。
でも沖縄だけではなく例え東京内でも起こり得たり、何処だったしても共感できることでした。
すごく狭い世界で私たちはそれぞれ生きていると思う。
どうか苦しみから救われますように。
あと5年…あと10年でいいから、生きていて欲しい。
でもそれさえも無責任の言葉のような気がする。
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