真っ黒こげ太郎

バトルロワイヤル・オブ・ザ・デッドの真っ黒こげ太郎のレビュー・感想・評価

4.0
勝利か!?死か!?

血と汗が飛び散る、ゾンビデスマッチ開幕!!!




かつて大手団体で活躍していたが、色々と問題を起こして今では小規模団体で所属している、兄弟レスラーのマンソン・ブラザーズ。
2人は守銭奴プロモーターにこき使われながらも、今日も今日とてヤラセ試合に参戦したりしていた。

あるハロウィンの晩、有名プロレスラーとの金網デスマッチが組まれるが、外の大嵐で試合はキャンセルになり、全員会場から出られなくなってしまう。

しかも、プロレスラーの仲間が急にゾンビ化して襲い掛かってきた!!!
中国から仕入れたと言われる成長ホルモンを注射したプロレスラー達がゾンビになってしまったのだ!!!
感染は観客にも広がり、会場内は大パニックに!!!
マンソン・ブラザーズと生き残ったプロレスラー達はゾンビに立ち向かうが…。



プロレス会場内に大発生したゾンビ達にプロレスラー達が立ち向かう、ゾンビパニック・コメディ。
予告を見た感じそれなりに血みどろっぽいし、評判もそれなりに悪くない感じなのでレンタル。


本作はコメディタッチでプロレスラー達のゆる~い掛け合いがメイン。
無論ちゃんとゾンビパニックは巻き起こるが、肝心のゾンビとの戦いが始まるまでに1時間近く掛かっている。

しかし、プロレスラー達は皆しっかり個性が立っている上に、彼らが織り成すゆるい会話劇も面白く、意外と楽しめる。
主人公兄弟は勿論、脇役からやられ役までしっかり個性が立っているし、言い間違い系のギャグもクスッと笑えたりと、会話劇メインながらも飽きさせない。

このゆるさは後半、ゾンビパンデミックが巻き起こった際にも貫かれており、血みどろな展開の中にもゆるいギャグ展開が上手い塩梅で盛り込まれている。

ここらへんの緩さとコミカル路線は賛否が分かれる所だろうけど、以外にも会話劇の描き方は上手くセンスを感じた。

出演者は殆どがマイナーキャストで、一番メジャーキャストなのがランディ・クートゥアさんというニッチっぷり。w
(監督は役者として色んな映画に出てるみたいですが。)
しかし、主演陣は本職のプロレスラーらしく、前半のプロレス試合や、プロレス技でゾンビと殴り合う場面はそれなりに迫力があります。
グロ描写は平均レベルで新鮮味は皆無だが、血みどろ指数はそれなり。


終始リラックスムード漂いまくり&B級真っ盛りなお気楽な内容で個人的には楽しめたが、「ゾンビ×プロレス」で連想される様なはっちゃけた展開やバイオレンスを求めて見るとガッカリするんじゃないかな。
ゾンビと戦う場面は思いの外少なめだし、プロレス技でゾンビをバリエーション豊かに倒しまくる展開を期待して見たら失敗すると思う。
(そういうのを求める人はアドリアン・カルドナ監督の短編映画を見た方が良いと思う。w)
後血みどろ指数はそれなりではあるものの、特に際立ったグロやゴア描写が無かったのは残念かな。精々顔面潰れてるシーンがあった位で。



派手なアクションやグロが食い足りないという意見も分かるし、確かにこの題材ならもっとはっちゃけた内容にして欲しかったりするが、ゆるゆるなムードの中でも光るコメディセンスが良いし、プロレスや血みどろな見どころもしっかり押さえてあるので、B級ゾンビ映画としては結構楽しめました。

人は選びますが、GEO先行の映画としては当たりな部類だとは思うので、あんま期待しないで大作のついでにでもレンタルしてみてくださいな。