家族を演じてくれる人材をお金でレンタルする人々と、レンタルされる側の人々にまつわるお話…タイトルどおりだけど。
園子温監督の『紀子の食卓』が想起される…あちらは一つの家族とレンタル家族にまつわる物語だったけど、こちらは複数の家族にまつわる物語だった。
この手の物語は過去にも何度か触れたことがあるけど、物語の構成も含めて、好奇心や面白半分とかではなく、家族の不在に向き合った好感の持てる作品だった。
作品で一番取り沙汰されていたのは父親のレンタル…父親との思い出や体験を与えてあげたいという子どもへの愛情なのか、世の中の家族として欠けたピースを埋めたいという社会性なのかは分からなかったけど、お金であてがわれた父親が子どもに与えたもの…そんなものと、終盤に現れるでんでんさん演じる施設長の思い遣りの対比がとても印象的で「親代わり」という言葉の意味を考え直すきっかけをもらえた。
レンタル彼女や彼氏って、ホストクラブやキャバクラと何が違うのだろうって想像はしてみるのだけれど、答えはわからない。
金銭や豊かさにまつわる見返りを期待しない相手への愛情とか思いやりが人々を家族と呼ぶのかもしれないななんて。
パッチギ!以来の塩谷さん…相変わらずのイケメンだったけど、髪型のせいかフェミニンなとある演歌歌手に見えて仕方なかった 汗。