OASIS

窓辺にてのOASISのネタバレレビュー・内容・結末

窓辺にて(2022年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

今回も好きとはなんぞやという難題について。

相手の浮気が発覚した時に心から怒ることのできない自分について、その自分が嫌になってしまう主人公。
いやいや、奥さんの気持ちはどこへ?
もちろん夫からの本当の好きという気持ちが感じられないから等の理由で浮気した奥さんも悪いんだけど。
これは稲垣吾郎だから嫌味がなく感じるんだろうなと思うし、実際そういうこと言いそうだよな。

るあの彼氏も稲垣吾郎も、純粋さでは負けてはいなかったけれど、その違いは恋人であったり奥さんへのリスペクトが足りなかったという所だろうか。
るあの彼氏は自分がそれほど誇れる人間ではないという自覚があるし、るあとの恋愛に対して不安を覚えてしまうほど好きという感情を持っていた。
一方稲垣吾郎の方は、劇中でも言われていた通り結局は奥さんのことを心のなかで見下していたんじゃないかな。
俺もそんなに奥さんのこと好きじゃなかったんだと思うし、だったら奥さんも本気で誰かを好きになるなんていうことあるはずがないという過信であったり、思い込みであったりがそんな関係性を産んでたのではなかろうかと。

必ずしも尊敬し合うことがいい関係を作るというわけではないが、感情を確認し合うということをやっていかないとどこかでそういう瞬間が訪れてしまうのではないかという怖さがある映画だった。
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