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窓辺にてのhagababyのレビュー・感想・評価

窓辺にて(2022年製作の映画)
4.2
この人の描く世界が好きだな〜。ハッとさせられたり妙に寂しさとか切なさを感じたりほっとしたり。すごく微妙で絶妙な感情のゆる動きが心の中に残る。余白を大切に。その通り。


この監督は演出がすごくうまいのか、役者全員がもう本当に実在してる人かのよう。言わずもがな稲垣吾郎。演技自体は、わりとしっかり演じてる!って感じなんだけど、でも実在感はそれ以上に強くある。飄々てしていて掴みどころがなく、自分があるようでない、ようである、憎めない正直もの。

村上春樹てきな主人公

自分のやるべきことを決められず、考えて考えて後回しににして、芯をもたずに漂流して一見頼りないのにも関わらず、周囲には魅力的な人が次々と現れ、そしてなぜかその魅力的な人物からは好かれて(大体においてこの魅力的な人物は簡単に人を好きにならないような人たち)、というところや、低姿勢で謙虚にも関わらずそこはかとなく感じる他者への見下しや世の中のこと色々わかってる感がある主人公が、村上春樹作品に通じるような。村上春樹のワードも出てきたから、意図してるのかな。稲垣吾郎は、まさに村上春樹に出てくる主人公のもつその感じだった。と、あるいは僕は思ったかもしれないし、思わなかったかもしれない。
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