アメリカ人の医師ネイト・ダニエルズは2人の娘達と南アフリカを訪れた。南アフリカは妻と出会った思い出の地。彼らを出迎えてくれた旧友のマーティンは狩猟禁止保護区を管理する生物学者。保護施設で育てた巨大なライオンと触れ合うなど動物のエキスパートだ。彼の運転する自動車に乗ってアフリカの動物見物を楽しむネイトと娘達。そんな中、途中で小さな村に寄る事になった。そこで彼らは凄惨な現場を目撃する事になる。…。低予算のB級作品の多いアニマルパニックもの。そんな中で久々に出現した本格的に作られた作品だ。主人公・ネイトはポスターではかなり勇ましい父親のような印象を受けるが実際はそんな事は無い。どちらかと言えば頭脳派の人物だ。銃の扱いにも慣れていないサバイバル向きの人物が娘達をライオンから守らなければいけない。その緊張感、不安感を演出する為に長回しが多用されている。寄り添うように設置されたカメラ位置により観客は登場人物と同じ時間、同じ情報を共有する。臨場感を感じさせる良い手法だと思った。CGで作られたライオンは精巧で本物以上の大迫力だ。93分と短く気軽に楽しめる作品だ。
