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にわのすなば GARDEN SANDBOXのSNのレビュー・感想・評価

にわのすなば GARDEN SANDBOX(2022年製作の映画)
3.6
役者が型を破り自由に演技をしている(ように私には見える)
その上で映画として成り立っている。
これこそ撮影所から飛び出し、誰もが映画を撮れるこの時代の映画において、ひとつの到着点だと思うが、この映画はそれが出来ていた。
そりゃ商業の作品に比べたらクオリティがと言うのは簡単だが、役者の自由な演技を讃えた上で技術的に成り立たせる、その意図を感じた。

カメラを向けた役者に自由にしてもらうのはそこまで大変ではないと思うのだがそれを技術的に映画として成立させるのは難儀で、アングル、照明、録音の都合などがその自由な演技に制約をかけていく。

映画として成立する技術を保ちながら役者を自由にする技術者になりたいものだ。

商業映画でもセット(檻)という枠に囲まれてしまったせいで、型の演技をする人が多いけど、たまにそれを内側から破ってくる人がいるので一概に商業映画が不自由とは
思ってないけど。

なんてことを鑑賞後に思ってたのだが上映後に、主題歌のミュージシャンによるミニライブトークショーがあったのだが、これがまぁ最悪だった。
嫌がる監督を無理矢理壇上に上げて歌わす。その歌詞が「生まれてごめんね」っておい。お互いコミニュケーションが全くとれていない。自由である事はお互いを知ろうとする努力があった上で生まれるものだと思ったばかりなので、こんなに悲しい事はなかった。
SN

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