脳みそ映画記録

ザ・ミソジニーの脳みそ映画記録のレビュー・感想・評価

ザ・ミソジニー(2022年製作の映画)
2.5
 ミソジニーの言葉の意味すら知らず、ポスタービジュアルのだけで、なんの情報もなしに観ました。ポスターを一見した時は中国のホラー映画かと思ったくらいです。 

 高橋洋作品だったとは。

 リングに代表される90年代のJホラーブームの雰囲気ムンムン!
 もう、殆ど諦めていたのですが、この雰囲気の映画を映画館で観られることに感動しました。感謝!!
赤い服だとか森の奥の女だとか最高でしょ!



 さて、内容については、考察を立てて理解をしかけると次の場面で考察は崩れ、また振り出しに戻る映画です。
 パンフレットに起承転結がすべて掲載されているのですが、読み返してみたり、インタビューを読んだりしてみました。

 なんとなく、自分の結論としては本作は物語の作成最中であり、稽古を通していろいろな試行錯誤をしているのでは?というところです。
 なので、場面ごとで立場も役割もモチーフも変わったりするのでわからなくなるのでは?
 一つの作品を作っているので大きく主題から乖離することはないものの、場面毎に短編の連なりのような印象を受けたのでしょう。
 特に終盤の霊能力バトルはまるっきり違う作品のように感じます。
 結果どんな作品に仕上がったのかは気になるところです。

 タイトルのミソジニーはフェミニズムの対義語で女性嫌悪ということです。ワードだけで避ける人もいるでしょうし、映画のタイトルとしては不適切であると言えます。タイトルを決める際にも揉めたとお聞きしますが、最終的に高橋洋監督の意見を尊重しミソジニーとしたそうです。
 本作で言うミソジニーは女性のおぞましさを表しているらしく、おぞましい=嫌悪ではありません。なので、女性を批判するような内容ではありません。おぞましいというのはマイナスイメージの言葉ですが、力強いというイメージもあります。おぞましい女というものには畏敬すら抱くこともあるのです。