風神

劇場版 荒野に希望の灯をともすの風神のレビュー・感想・評価

3.8
日本映画専門チャンネル放送分を
録画して鑑賞。

子供たちの表情がバロメーター。
ウクライナもガザ地区も
紛争地域の全ての子供たちに笑顔を。

中村医師の活動や人となりに関しては
殺害された後の報道で初めて知りました。
現地の人達に、利権とは関係なく
命を救ってくれたこと
未来を作ってくれたことを感謝される人。
ニュースやWikipediaでは見えない事も
こういう映像で観ると
より、わかり易く伝わってくる。
それ故に、あの事件が
現地の人達にとっても
いかに衝撃的だったのかは
自分には想像できないレベルでしょう。

医師として
命の選別を迫られた事から始まった
アフガニスタン支援。
医療援助から始まり
その諸悪の根源は水と食料の不足となり
井戸を掘り、用水路を作る。
その必要性を周りに訴えたとき
字幕では「アフガニスタンのため」と
なっていましたが
「for us(自分達のため)」と自然に言う姿が
現地への溶け込み具合を表している。

脳神経内科のお医者さんって事ですが
細分化された日本の医療体制とは違い
1人で何でもこなさなければならない。
外科手術だって内科診療だって
なんだってやらなければならない。
土木工事の事も独学でこなす所から
物凄い勉強家なのは伝わるし
1人でやらざるを得ない場所って事も
伝わってくる。
そして現地の人達や文化を尊重しつつ
行動するところでも相手に対する
リスペクト感も感じる。

対比として出てくる
沙漠のビフォーアフターの映像も凄い。
出来ると信じて行動した事の
結果が美しい。
仕事も無く、仕方なく武器を持ってた
人達が農地に戻り、実りに喜び
自給自足の生活を始め
宗教的な開放や教育も開始され
子供たちの笑顔が溢れる。
目指すべき世界は明白。

中村医師の死後も
関わった人達によって続けられる事業。
蒔かれた種は育ち成長していく。
現地の人によって継続されるシステムは
永続的に続くはずだし、それが望み。

オープニングの
タイトルの出し方がNHKスペシャル。
全く映画的ではなかったし
感情的抑揚も無く
淡々としたドキュメンタリー。

ただ
途中で言われた
数万の人達の命を救ったって言い方が
若干自慢げに聞こえるなぁと思ったら
制作がバックアップしていた
ペシャワール会さんでした。
なるほど。

2024-17
風神

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