クラウドアトラスみやちゃん

ザ・メニューのクラウドアトラスみやちゃんのレビュー・感想・評価

ザ・メニュー(2022年製作の映画)
3.7
【設定とあらすじ】孤島にある超高級レストラン、お値段は1人1250ドルもする。円安の進んだ現在で20万円弱するがそれでも連日満席で3年先迄予約は至難を極める。この値段だが別に宿泊施設を伴ったオーベルジュであるわけではない。(ただワインは完璧に料理毎にカップリングされマリアージュを愉しむことができる。実は…チップ、完璧にカップリングされたワイン、お土産、ゲスト毎の特別サービス😆込みなのだから寧ろ破格に安いのかも知れない。。)それもその筈で、席は限られていて島までのクルーズ船に乗れるだけしか当日の席は用意させていない。

シェフ(「キングスマン ファースト・エージェント」のレイフ・ファインズ)はある料理評論家に見い出させて一躍スターダムにのし上がり、このレストランのシェフとなったのだ。その女性料理評論家もシェフから今夜の宴に招待をされていた。

今夜のゲストは1人の年老いた女性客を除くと、カップルが4組、料理評論家と連れの雑誌編集者、嘗てのスター俳優と女性マネージャー、資産家夫婦、そして「ラストナイト・イン・ソーホー」のアニヤ・テイラー=ジョイと「マッド・マックス怒デス」のニコラス・ホルトのカップル、そして成り金の男性客3人の12名。

ニコラス・ホルトはシェフに心酔していてこの日のことを人生最高の日と呼ぶ程心待ちにしていたが、連れのアニヤはあろうことかことか最高の料理の前に紙タバコを吹かすなどあり得ない態度でニコラスを苛立たせるが、そもそも余り高級な料理に興味はない。
ニコラスは予約を取る際、別の女性の名前で予約を入れており、予約帳にアニヤ名前は無く、孤島に着いた時からアニヤの心には小波が立っているのだった。
しかし、それはほんの始まりに過ぎなかった。。

【感想】レストラン業界に於ける評論家や料理というものを大仰なものにする現代の風習への強烈な皮肉が込められていて、とても溜飲が下がった。 

もしこの辺に興味のある方は、「分子料理」の隆盛と衰退の歴史をチェックしたら面白いと思います。

そして、状況に飲み込まれてしまうとどんなに異常であっても自ら逃げ出すのが本当に難しいということもテーマとしてあった様に思う。

そして、兎に角アニヤが良い😍
「ラストナイト・イン・ソーホー」もそうでしたけどちょっとヤサグレた感じを出すのが本当に上手い。この分野で右に出るものは居ない。若手で完全に独り勝ち。彼女を見出した「ウィッチ The Witch」の監督ロバート・エガースは本当に人類の宝だと思う。ノーベル・キャスティング賞を授与してあげないといけないのでは😆

そしてニコラス・ホルト、完全に逝っちゃってる料理オタクを完全に演じていてウケる🤣

この映画で観たいものは全て観れました。アニヤファンはもちろんのこと、シチュエーション・スリラーをお求めの方にもってこいだと思います。

P.S.ランチでチーズバーガーを出してくれるならレストラン迄の旅費を払っても食べに行きたい!Michelinではそれを三つ星の定義にしている☺️)

ぜひぜひ劇場へ!ボナペティ!