“Don't eat. Taste!”
ホラー弱者がアニャのお誘いを断れずに鑑賞w
…というか本作はホラーというよりも強烈なアイロニーが込められたブラックコメディ&サスペンス
そしてそのテーマも作り手とそれを享受する側との間の意識のズレという、いたってシンプルなもの
作り手側の思い
我々が努力し、情熱を込めて作り上げた物の意味を本当にあなた達は理解しているのか?
享受する側の思い
そこには相手に対する愛情はあるのか?
あるのは単なる執着ではないのか?
なかなか予約の取れないレストランに招かれた客はダヴィンチの「最後の晩餐」に描かれた使徒の人数と同じ12人
一癖も二癖もありそうなシェフを始めとするレストランのスタッフ達
次々と出される料理とともに少しずつ浮かび上がっていく招かれた客達の本性とシェフの狂気
なぜこの客達は予約が取れたのか?
このシェフは何者なのか?
メニューに込められた意図は何なのか?
誰がイエスで、誰がユダなのか?
次々と起こる出来事にハラハラドキドキしながらグイグイ物語に引き込まれてしまいました。
(コメディパートは引きつった笑いしか出ない😅)
もちろんお目当てのアニャも最高!
アップショットとドレス姿は眼福🤤
ただなんと言っても一番強烈だったのはシェフを演じたレイフ・ファインズ
そこにある確かな狂気だけでなく、同時に持つ情熱と信念を感じさせる演技が素晴らしい。
そして一番のホラーはアニャを同伴した男性(ニコラス・ホルト)の行動とその顛末
他の客とは違う、庶民派代表としてのリアルかつ思い当たる節があるかもしれないその行動は、コメディパートであると同時に観客の背筋を凍らせます😱
さらに見ごたえのある美術・衣裳だけでなく、本作の主役とも言える料理の数々も、とても丁寧に作られていて加点ポイント
上映時間約100分という最近の作品としては短い時間の中で、テンポよくスリリングに登場人物像を浮かび上がらせながら、最後はしっかりとカタルシスを感じさせてくれる見事な脚本と演出を大いに楽しむことができました。
願わくば、彼らのような客にならないよう、これからも料理だけでなく映画に対しても真摯に向き合う所存ですw
p.s.
ホラーにつきもののジャンプスケア
苦手な人はチョット注意⚠したほうがいいかも😓