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ザ・メニューのエスのレビュー・感想・評価

ザ・メニュー(2022年製作の映画)
4.0
激ヤバ倫理観の元で繰り広げられる復讐劇。
先の読めぬ展開に肝を冷やしながら、社会風刺をどばっどばに浴びた。これを書くのも恐ろしいと思ってしまうくらいに寒気が凄かった。見終わって数日経った今尚、感情がぐっちゃぐちゃで自分の中の嫌悪感と合理性が大喧嘩してる。

繰り広げられるカオスに対して、”…だとしても別にあなたは人を裁けるような立場にいないっすよ(いや、善し悪し抜きにそれをやり遂げてしまったので、やっぱそういう位置にいたはいたんだよな)”って思う自分と、ゲストを知るにつれて自業自得じゃねと思ってしまう自分。自業自得という言葉がまず存在していいのか…?とも思ったり。

完璧主義者は自分の中で辻褄合うかどうかが何よりも大事で、自己矛盾という居心地が悪い場所から抜け出すためには手段を選ばない。自分も人間として同じようにそのような暴力性や傲慢さを持っているんだと思うとがっかりする。それもまた一興。

与える者と受け取る者がいて成り立つ芸術。奪う者になってしまうかはその対象への情熱と真の敬意かなと。

そして鑑賞後みると改めて分かるポスターデザインの秀逸さ…すべてを通して凄かったです…もっかいみたい

エンドロールに書いてあった”Happy birthday to you”
は見ている者も気持ちを入れ替えたでしょ?ってジョークみたいなことなのかな?
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