漫画「東京タラレバ娘」の「ダークナイト問題」が蘇る。うるさ型の映画オタクを背中からブッ刺す作品
「絶海!」「孤島!」「殺人!」予告だけでも伝わってくる密室シチュエーションに胸が高鳴る『ザ・メニュー』。そこにレイフ・ファインズ主演となれば見に行かない理由はないだろう。(あとアニャ・テイラー=ジョイが気になる///)…と言うことで映画館で鑑賞。
孤島の高級レストラン『ホーソン』にやってきたマーゴ(アニャ・テイラー=ジョイ)とタイラー(ニコラス・ホルト)。ホーソンではシェフのスローヴィックが振る舞う芸術のような料理に予約が殺到しなかなか食べることができない。いざその料理を目にし、浮き足立つタイラーに対し、マーゴはシェフに対し不信を抱くようになるストーリー。
シェフの出す料理にいちいち蘊蓄を垂れるタイラーがホントに嫌なキャラなのが面白い。シェフオタクと言うべきなのだろうか。「これの隠し味は〜〜〜」「この技は昔シェフを取材した番組で20回は見て〜〜〜」とか度々マーゴに指南してくるのが最高にウザい。
どう見てもこのシーンって映画製作者から見た映画オタクの風刺になってる。「何かで見たなー」ってずっと考えてたけど、思い出したのは漫画「東京タラレバ娘」のワンシーン。
東京タラレバ娘では倫子と言うキャラが男の部屋で映画を見ることになり、映画「ダークナイト」のDVDを見せられる羽目に。倫子は「出た…『ダークナイト』…。男は大好きだけど女が観ても全然面白くない映画ナンバー1」と心に呟き、それを知らない男が「ここ本当はNGだったけどジョーカーの芝居がすごすぎて、そのまんま使ったんだよ」と映画解説を続けると言う内容。
ここは邪推でしかないけど、ハリウッドの製作者も映画オタクみたいなやつが嫌いなんだろうなという印象。その証拠にこのタイラーのキャラの顛末が『蘊蓄だけで料理は作れないヘタレ』みたいな描き方なのだから。こんな描き方をするくらい映画オタクって声だけデカくて邪魔な存在なんだろうな。