このレビューはネタバレを含みます
法外な値段と引き換えに極上の料理を味わえる孤島のレストランをおとずれた12人。
料理にはシェフのこだわりとともにジョークやサプライズが含まれており、美食を楽しみつつも客たちは戸惑いを感じ始める。やがてシェフのサプライズは常軌を逸していき、客やシェフ自身の隠された秘密が明らかになっていく......という話。
予告編から既に狂気が漏れ出ていたので、楽しみにしていた作品。
冒頭でざっくりとした登場人物の紹介はするものの、極力情報は伏せていて、彼らの立場や人となりはレストランでの会話やメニューの中で徐々に分かってくる構成。
高額な食事代を出せるセレブな客たちはそれぞれ秘密を抱えており、それがシェフの悪趣味な趣向をこらした料理の中に含まれている点が面白い。招かれる客たちは予め決まっていたから出来る芸当なのだが、来る予定ではなかったヒロインの存在がアクセントになっているのもユニークだった。そのヒロインがレストランから逃走する手法もトンチがきいていたし、「ミッドサマー」を彷彿とさせるようなシュールなラストもインパクトがあった。
ヒロイン役のアニャ・テイラー=ジョイは「スプリット」や「ウィッチ」に出てた頃はまだ幼い印象だったが、本作ではすっかり大人になっていて驚いた。顔は相変わらず個性的。
まあ、ストーリーはシンプルで、常に意外性のある展開を用意しないと楽しめない作りなので、段々と苦しくなっていくところはあったが、アイデアで乗り切った感じだった。
シェフが何か問いかけるたびに調理中の従業員たちが「イエス！シェフ！」とデカイ声で答えるのだが、絶対料理にツバ飛んでるだろと思った☺️
