このレビューはネタバレを含みます
面白かった。
ちらっと予告を見て、『注文の多い料理店』や『特別料理』のような作品だろうと勝手読みしての鑑賞。
最終的にそれは全くの誤解。
おそらく本作は、料理に興味もないお客様、勝手な批評家といったレストランに過度な負担を強いる、シェフを神格化し盲信する、といった客側の問題と、それに応えるレストラン側の多大な負担や傲慢さといった提供する側との間の矛盾・不健全性を皮肉り、本来の両者の関係は健全に循環するエコシステムなのだ、と問い、翻ってはいわばSDGs的なテーマにも繋げている、ということなのだろう。
私自身は、食の蘊蓄は大好きだし、パンのシーンなどは、確かにこういったメニューは有り得そう、賛否両論ありそうな興味深い一品と見えたし、ヒロインの言動には、もう少し空気を読んだ方が良いなどとも思ってしまった。
一方、一部レストランの風変わりな哲学的メニューや演出、傲慢な態度などには辟易しているのも事実で、本作のブラックユーモアは刺さる部分があった。
レイフ・ファインズの怪演は迫力があった。
ややグロいシーンがあるので、苦手な人には薦められないが、本作鑑賞後は、食に限らず幅広いテーマで話が盛り上がりそうな感もある。
こういったレビューも本作を見たあとでは少々気が引ける笑