このレビューはネタバレを含みます
【身をもって、コース料理を召し上がれ】2022年161本目
訪れるは、孤島にある富裕層向けのレストラン。有名シェフの元で厳しく鍛えられた料理人達が、まるで軍隊かのように彼の下で働いている。
広い敷地を進んでいくと、お洒落な建物。回転扉が開き、厨房前のテーブルに通される。
前菜から始まるコースは、味は天下一品。しかし、そのメニューを重ねるごとに不穏な空気が漂い、訪れた批評家たちの面持ちも次第に曇ってゆく。
メインキャストである、ニコラスホルトとアニャ・テイラージョイの2人の関係性が謎に包まれながらも、シェフに傾倒している男と、そのシェフに反抗的な態度をとる女という構図が物語のオチに繋がっていく。
コースは、シェフの計画の元に恐怖のメニューと化し、緊迫感とサイコ感を演出。
また、男性、女性と振り分け、異性間の感性の違いを演出しているのも興味深い。
男性は、自分を守るために簡単に人を裏切り、女性は、自分を守るために意固地になる。
ただ、見終わった後のスッキリ感があまりなくて、どちらかというと消化不良な結末。
食事に訪れた皆が、殺しのゲームに参加させられ、一度は逃亡を目論むも、失敗。その後は皆、黙って自身の死を受け入れている。おいしく頂いた料理たちは、彼ら物ごと燃やされ灰になる。
体内で燃焼するのでなく、外側から丸ごと燃焼される。
消化不良感も、この映画の狙いかなと思いました。