ものすごく目新しくは無く、予想のつく悪趣味さだけれど、基本レストラン内というミニマムな設定での限られた演者の芝居が、ちょっと舞台みたいで良かった。
大作ではなく中低予算の小粒の作品なんだけれど、それが作品内容や規模とちょうどよくマッチしていて、俳優も演じてて楽しかったんじゃないかな、と勝手に思ったり。
説明が無いままの事柄が所々あり、なんでも明らかに理解したい私的にはスッキリとはいかないけれど、そこもなんだか舞台っぽくて、まあいいやと思えた（笑）。たぶんお母さん関係とかは編集で削られちゃったんだろうなー。
アーニャ・テイラー・ジョイは人を惹きつける彼女だけが持つ魅力があってすごく良かった。綺麗なだけの今どきハリウッド若手スターじゃ、独特の存在感のある独立した個の感じは絶対出ないと思う。何か歪みが感じられるのがいいのよね。
そしてニコラス・ホルトめちゃめちゃ演技上手い！多分今作で私的には1番でした。
シェフ、客、スタッフ、みんな俺俺なエゴの塊で（アーニャだけ違う）、みんなそんな自分に酔っている。
エルブジやノーマ的レストランが舞台なわけだけど、つまりは現代のいわゆる「美食」とそれを取り巻く環境＝エゴ、を思いっきり馬鹿にしてる感じがほんと笑えた。
