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ザ・メニューのごはんのレビュー・感想・評価

ザ・メニュー(2022年製作の映画)
4.0
「よくわからんけど多分うまい料理たち」
孤島の高級レストランで出てくるコース料理たち、あんまり細かいことはわからないけど、まぁ多分うまいんだろう。そしてあーゆー料理を特別な空間で食べる事自体体験としてはしてみたい気はする。


「あれこれ言う評論家たち」
料理を通じての評論家批判でもある作品ということで良いと思うのだけど、それ故に評論家ではないにしても本作の感想はなんだか書きにくいものがある。
「レミーのおいしいレストラン(2007)」をもっと大人テイストにしたような感じだろうか…?
料理にしても映画にしても、世に発表された作品に大して本質的には美味しかった、楽しかった程度の単純明快な感想、気持ちがあればそれで良い気がするけど、発表されたからにはそれらが作られたプロセス込みで絶賛する人もいて良いわけで、プロセスがわかると良い評価の裏付けがされてよりおいしさとか楽しさにも確信が持てるってのはあるわけで…

細かいこと言ってないでうまいもんは美味い!楽しいもんは楽しいで良いじゃねぇか!って話ではあるんだけど、その場合あのシェフは別にあんな事せずに引退してひっそりとチーズバーガー屋でもやってくれてたら良かったのではないだろうか…
それじゃあ話にならないんだけど。

「お客のお客様感、成金感」
この辺りの嫌な客の表現はなんだか見事というか、万国共通なんだろうか?いやだわぁーって思わせてくれる見事なお客様でした。

「閉ざされた空間での異様な団結力」
カリスマシェフにすっかり陶酔?着いていくことを決めた弟子のシェフたちの常軌を逸した団結力はなんだか「ミッドサマー(2019)」のような異様なすらある。
ただトップダウンの組織としてはある意味完璧なようでもある。

「チーズバーガー」
物語のキーともなるチーズバーガーが結局1番美味しそうにみえるのは撮り方の差異なのか?
それともある程度味が想像できるからこそ美味しそうだと感じられるのかはよくわからないが、見た帰りにチーズバーガー買って帰ること確定した瞬間でもある。


「そうは言っても高級なもんは大抵美味い」
どこ産のなんたらが〜、育てられた環境が〜、なんてことはあまりよくわからないけど、そんな理由などで高価になっている食材を使った料理は経験上大抵美味い。
だから「一食でいくらするんだ!美味いに違いない!」みたいな意見は、料理を食べる本質突いていない気はするものの、あながち間違いではない気もする。
一方でただでさえ美味い食材を美味しく調理することよりも、そんなに美味しくない食材を技で美味しく調理することの方が料理人としてのスキル高そうだよなぁ…とかもら思ったり。


見ていると料理を食べるってうーんどう言うことなんだろーなぁーとか、高級料理とかどこ産の食材だってーとか、いいながら食べるのも好きだしなーとかいろいろ考えてしまう作品でした。
それは同時に映画とか作品ってものをレビューすることでも同じだとは思うんだけど、でも世に出すってことは評価されてなんぼじゃない?って気もするし、いやいやそんな小難しく考えてないで単純に楽しめよ!ってのもわかるなぁ。でも情報ばっかり重要視されて本質見てもらえないのも不幸な話で…
料理でも映画でもなんでも良いけど、マクロとミクロな視点や観点で体験して考えて感じるのが楽しいのかなぁ…


とりあえず帰り道にはチーズバーガーを食べたくなる作品だったわけだけど、この感想こそが本作の正しい感想な気もする…
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