じょにー

ザ・メニューのじょにーのレビュー・感想・評価

ザ・メニュー(2022年製作の映画)
5.0
好き過ぎて感動した・・・。自分でも混乱してます。
たぶん、自分はこの映画で情報を摂取したんじゃなく、この映画の味が好きだったんだ。おいしくて震えた。そんな出会いでした。

まず何が良いかって、ディズニー+のジャンル欄に「コメディ」って書かれるくらいおかしい作品だって所ですね。スリルやシリアスが極限まで行くと笑いになってくるのが本当に好きで。やっぱね、それくらい狂ってないとおもしろくないですよ。

終盤にかけて狂気と正気の間で振り回され笑いすら込み上げて来そうで、こんな映画観たことない!って感動したし、それはそれとして絶対に最後まで狂気は失わないってわかった時、めちゃくちゃ幸せだった。
ヤバい皮肉のオンパレードだけど、いかに胸糞悪いことも深い絶望からは距離を置いて楽しめるバランス感が素晴らしい。とはいえ中盤あたりは「苦虫を噛み潰したような顔」で辞書に載せれるレベルで顔歪ませながら見てたと思います。いや映画ってそういう顔させられてる時が1番楽しいから。(?)

感想を読んでると価値観にそぐわなかったっていう人がけっこういますね。食で言うと自分もYouTube見ながら1人で食べるコンビニ飯最高とか思っちゃうクソ雑魚価値観なんだけど、そこに差し障ることなく入り込めたのは最高にラッキー。と同時に、この映画を楽しめてしまう自分ってちょっと無神経なんじゃないかと怖くなった。そういうホラー?
むしろ、一過性の体験を楽しむという点では映画も食も通ずる所があるし、自分の中では違いは少ないと感じてる。

食事っておもしろいと思うのが、栄養を摂るための行為なのに絶対に味が良い方が元気出るし、美味しいものを食べたあとお金を出してしまって後悔することとかあんまりないんですよね。風呂入るのめんどくさいけど済ませたあと後悔しないのに似てる気がする。
初めて食べた時の感動は超えられない所も映画と同じ。次にこの映画を"食べない"時には、味が変わってしまうんだろうなと思える極上のメニューでした。
じょにー

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