うかりシネマ

ザ・メニューのうかりシネマのネタバレレビュー・内容・結末

ザ・メニュー(2022年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

孤島にある参加費1250ドルの高級レストランにセレブが集められ、一流シェフのコースでもてなされるというスリラー。

この手の設定なら「人肉が出される」か「客が殺される」くらいしかバリエーションがないが、それゆえにスロースタートで“異変”が起こるまでを楽しめる。
秘密が明かされてからも変調し、アクセルを踏むことで「どうせそんなオチだと思った」と冷めさせることなく緊張感を持続させる。
客の配置も巧みで、ミステリの容疑者のように欲しいキャラ、欲しい設定が揃っている。そんな中で主人公コンビだけに謎を残し、後半の求心力としている。

真実のバリエーションと同様に、終盤は「誰が勝つのか」と「ここまでやってどう終わらせるのか」がいくつかのパターンから類推され焦点となるが、竜頭蛇尾にならず納得のできる終わり方となる。
パニック的にならず智略によって解決するというのは好みだった。ホラーやスリラーは先が読めないこと自体が魅力となるが、一つ言葉を間違えただけで死んでしまうこの“対決”はどちらに転ばすこともできて、興奮させられた。
デザートは思いついたからには仕方なかったんだろうが(綺麗ではあるし)、わりとよく見る絵面だったのが少し残念。