面白く観れました。
中学で合唱部部長の岡聡実は、ひょんなことからヤクザの成田凶児と知りあい、カラオケのレッスンを頼まれる。もちろん、最初はいやいや付き合うことになるが、次第に彼のレッスンに付き合うことになってゆく…
この物語の肝は、出会うはずのない2人が出会って、それでもそれぞれの目標に向かって歩んでゆくというところだが、この主人公の岡君がどうしても、成田のレッスンに付き合わざるえない動機がちょっと弱い。そこが原作によるものなのか？それとも脚本や演出のさばきによるものかは原作を未読なので不明ですが、それでもこの映画を退屈しなくて観せるのは、さすが山下敦弘だと思いました。思えば山下敦弘には『リンダ、リンダ、リンダ』という傑作音楽映画があるし、アドレッセンスと音楽はやはり山下の得意分野なのかもしれない。
主演の綾野剛はこの手の役は結構多いと思うのですが、このバージョンもなかなか見せます。先生役の芳根京子、お母さん役の坂井真紀など、安定した巧さ。岡聡美役の斉藤潤君は走る姿が本当に美しい。僕は走る姿が美しい俳優が大好きなので、これからとても期待しています。
