矢野竜子

カラオケ行こ!の矢野竜子のレビュー・感想・評価

カラオケ行こ!(2024年製作の映画)
3.8
原作は買っておきながら読んでいない
という体たらくで申し訳ないが、
子供と大人の間で揺れ格闘する様が
歌を通して描かれていて面白かった。
変声期や映画を見る会のビデオが
象徴するように
巻き戻しの効かない1回限りの青春。
子供=高校の合唱部、
大人=ヤクザのうた下手選手権。
その中で子供の世界と大人の世界を
いったりきたりする主人公。
雷鳴轟く中での出会い、
広角気味のシーンの多さ等から
寓話感(漫画感)強めに感じるものの
演出は抑え気味なので
そのアンバランスさが良い。
スクリーンの奥にあったカーテンは
しっかり開け放たれ、
ラストは屋上で終わる。
鮭の皮がのった白米に
合唱の歌を被せるとか名シーン。
紅を3回ぐらい繰り返すしつこさに笑った。
綾野剛が乗るヤクザカーの
黒の艶が良いなと思ったら
撮影柳島克己だった。