ドS文筆家あんじゅ

カラオケ行こ!のドS文筆家あんじゅのレビュー・感想・評価

カラオケ行こ!(2024年製作の映画)
2.5
人間ドラマが足りねぇ…。

野木さんの本と聞いて期待していたのだが正直期待外れ。それなりに笑えるシーンはあるものの、セリフや伏線回収の妙、小ネタの面白さではなく、ヤクザたちの歌の下手さと、橋本じゅん、やべきょうすけ、北村一輝という定番ヤクザ俳優たちの出落ちで笑いを取ってただけ(逆に、この3人キャスティング出来てなかったら『カス』だよこの映画)。個人的にはセリフで笑えたのは「三代目米津玄師」のみだった。野木さんなら、ドップリではなくとも現代ヤクザの生きづらさとか、ヤクザが寄生する低所得者層の生きづらさに触れるなど、軽くではあっても何かしらの問題提起があるのかと思ってたけど、それは勝手な期待だったか。

少なくとも、綾野剛のカラオケシーンを三分の一に削っていいから、聡美と成田が信頼関係を築く過程なり、合唱部内での聡美と他の部員との葛藤と関係回復なり、もっと人と人のぶつかり合い、人間ドラマが見たかった。映画部で映画見てるシーンも、いろいろ暗喩してはいたのだろうが冗長に思えた。斉藤くんは池松壮亮みたいで可愛い。