さっきまで大学時代の友達連中と飲んできました。
30年以上前に大学で出逢った映画研究部の連中なんだけど、私以外はまあまあ観る本数が減ってて。
今年の私の暫定ベストの「『カラオケ行こ!』は観た?」って訊いても誰も観てない。
と思ったらIくんがやおら鞄をごそごそし始めて、「はい」って取り出したのが和山やまさんの原作漫画。
「え? 何で? 俺が言うんわかってた?!」って訊いたら、Iくんの返しが洒落てました。
「ううん。今日タイムループ2周目やから」(昨日金ローでアズカバンの囚人やってたことに引っ掛けたのかな)
で、「カラオケ行こ!」を貸してくれましたわ。
なので、帰ってきてから読みました。
そうすると、原作の素晴らしさもさることながら、野木亜紀子さんのアダプテーション能力の高さよ!
冒頭で狂児が雨に打たれてるのは映画オリジナル。なんか、不穏な始まりです。
で、実はこれが後でヤマハ(映画ではなんてったっけ? ひまわり? タンポポ?)音楽教室に兄貴が通い始めたことに打ちひしがれて彷徨してたってなる。あの回想も直前まで兄貴がカチコミに行くような悲しい雰囲気を漂わせ、音楽教室がパンチラインになってた。
何と言っても最大のアダプテーションは、映画部ね。
白熱、カサブランカ、三十四丁目の奇蹟、自転車泥棒。
観てる映画も激シブなんだけれど、それらをさ、VHSで観てるんだよね。
しかも、そのデッキが「巻き戻したら壊れる」設定。
これ、映画自体への言及(劇場で観てると巻き戻せない)と、青春の一回性を表してますね。
原作漫画は、単行本一冊のボリュームなので、すぐ読み終わりました。
前後篇と描き下ろし。それも映画で描かれてたんだけれど、最終ページがびっくりした!
狂児が、(ビデオのことじゃなく)「巻き戻して!」って言うのね。
野木亜紀子脚本オリジナルのVHSって、恐らくこのセリフから膨らませてるんだろうね。そんな神業ある?!
あと、「あの界隈」に聡実くんが行く理由も、くだんのVHSに変わってるし。
野木さん凄まじい。
あと、やっぱ山下監督の映画は全部最高!