「きれいなもんばっかりやったら〜」
という狂児のセリフ
聡実くんが紅を歌うシーンは涙が出てしまった。
決してきれいではない歌声で、思いっきり、周りの視線を忘れるほど熱唱する姿。
彼を縛り付けていた「きれいじゃないといけない」という観念からの解放。
あるよな、学生のときは。勉強でもなんでもそれが人生の全てで、完璧じゃなければ価値もないという思い込み。どうしてこの社会は子どもにそう思わせてしまうんだろう。わたしだって完璧を求めすぎて、日常の大切な幸せを見逃してきたなあ。
もしも自分の子どもができたら、そんなことないって早く気づかせてあげたい。
大人っぽい聡実くんが見せる中学生らしい未熟さがとてもかわいらしくて、二度と戻ってこない青年期の時間の貴重さを感じた。
（副部長と後輩と3人でいることをからかわれて本気で怒るところとか。）
青年期の不可逆性と、そこになぜかフィットする狂児のおおらかさ
「カラオケ行こ！」という合言葉
相手を誘う言葉って素晴らしいなあ。
24.01.22
ユナイテッド・シネマ浦和
