よか

カラオケ行こ!のよかのネタバレレビュー・内容・結末

カラオケ行こ!(2024年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

あ、綾野剛~~~~~😂😂😂
綾野剛まじで罪深すぎんか???


和山やまの作品って、めちゃくちゃ特別で尊い瞬間をなんでもない日常みたいに切り取るのが 天才的に上手くて好き。
この映画では、普遍的な青春を全面に押し出した上で 「 ヤクザとカラオケ」っていう異物をコントラスト強めで混ぜ込んでるのに、最終的に誰もが体験したことのある出来事のような錯覚さえ覚えるの、脚本の構成力のなせる技って感じで感動しました。
そっくりそのまま原作を引用するのではなくて、映画は映画として独自のアドバンテージを活かしながらも原作の雰囲気は損なわないところ、愛とリスペクトを感じて非常に良きでした。

藤潤くんの思春期の溢れんばかりの瑞々しさとか、綾野剛の他人の懐に潜り込むのは上手いくせに自分の心の柔らかい所は触れさせてくれない男が上手いこと上手いこと…
心臓キュって掴まれた心地です。ずるいね〜〜〜

人の心のひだをいたずらに逆立てて責任は取らないあの感じ、表面的な優しさと本質的な無関心のバランスがまじでズルい人間って感じで、綾野剛ほんとこの手の人間やらせたら最強なんでは?と思った。
きっと聡実くんが狂児の心にあの「紅」で触れてなかったら、散々思春期の情緒をかき乱した末に無責任に消えていくんだろうなって所まで想像できてよかった。

そういう裏社会の人間の無責任さとかがちゃんとあって、物語の為にヤクザを美化して描かないあたりもよかったなと思った。
綾野剛に色気と美しさを見出してしまうのは完全に我々が勝手にしてることで、狂児はヤクザという姿勢を崩さなかった。
この映画を美しく彩っているのはあくまでも聡実くんの留め置くことのできない瑞々しい青春と、思春期の純真ってところがいいよね。

反社は反社、狂児の優しさも生来のものではなく 降って沸いた気まぐれみたいなもの。
本来なら関わり合いになっちゃだめな世界なのがしっかり描かれてて、全て分かった上で地獄に突っ込んでいく聡実くんがなおのことめちゃくちゃ純で尊かったですね、まる。
よか

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