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カラオケ行こ!のTSのレビュー・感想・評価

カラオケ行こ!(2024年製作の映画)
3.6
【ヤクザと中学生の滑稽なやり取り】76点
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監督:山下敦弘
製作国:日本
ジャンル:コメディ
収録時間:107分
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 2024年劇場鑑賞4本目。
 シュールなジャケットにタイトル。凄まじく評価の高い今作。気になり鑑賞してみた結果、まあ期待以上の展開ではありませんでしたが、まずまず楽しめたコメディ映画だと感じました。ただ、ちょっと評価が高すぎるのでは?と思えてしまいました。

 カラオケで最低点をとってしまうと下手な刺青を入れられてしまうとあるヤクザグループ。なんとか刺青を免れようとしていた成田は、中学校の合唱部の部長である岡聡美に歌い方を伝授してもらおうとするのだが。。

 なかなか素っ頓狂な展開。いきなり綾野剛演じる成田が岡の前に現れて「カラオケ行こ」と言い出すのですから、ヤクザが出ているにも関わらず、今作は全くシリアスなものではないんだなと思えてしまいます。爆笑するほどのシーンはないですが、ところどころクスッと笑える展開があり、気楽に見ることができます。『カラオケ行こ!』というタイトルからも分かる通り、全編通してカラオケで歌っているシーンが多いです。成田は勝負曲ということで「紅」を毎回歌うのですが、その裏声がまた面白い。でもちょっと気付かされたといいますか、自分でもカラオケで高域の歌を歌う時、裏声で乗り越えたらまあokと思っていたのですが、それを第三者が聞いたら滑稽だということに気付かされました笑 本人は必死で歌っているのですからわからないですし、なかなか他者が突っ込めるものではありませんよね。こんなに何度も「紅」を聴ける映画もそうそうないでしょう。

 ところでこの岡聡美を演じた齋藤潤の歌声がなかなかのものでした。今作の齋藤は中学生なので声変わりをしてくるという設定。なので、終盤まで彼が歌うことはないのですが、溜まりに溜まって歌を歌う彼のシーンは素晴らしかったですね。ヤクザに囲まれて歌っているシーンは滑稽と言わざるを得ませんが笑 それにしてもヤクザ達のカラオケがまあ下手のなんのこと。完全に笑かしにきてますね笑

 メッセージ性は特に感じ取られませんでしたが、頭を空っぽにして観れる映画でありますし、齋藤と成田のやりとりはシンプルに面白いです。大阪弁というのも愛嬌がありましたし、映画を見る部でクラシック映画を観ているシーンは、映画好きにはどことなくロマンがあり好印象でした。エンディングのリトグリの紅がよかったのでプラス1点で笑
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