NORA

カラオケ行こ!のNORAのレビュー・感想・評価

カラオケ行こ!(2024年製作の映画)
4.6
中学生(毒舌関西弁)がヒロインかと思いきや、実は綾野剛(ヤクザ)こそがヒロインだったという事実だけでさまざまな感情が乱舞するハートウォーミング映画。カラオケを通じたヤクザと中学生の友情というストーリーがある種の浄化されたファンタジーであることは明白であるだけに、実写化は非常に取り扱いが難しかったと思われるが、見事なバランスで厭味なく、これ見よがしでなく、それでいてしっかりとエモーショナルに物語を成立させてしまっているあたり、さすがの職人・野木亜紀子、そしてすでに大御所の貫禄すら漂わせる山下敦弘といったところか。
巧者・綾野剛の演技は相変わらず魅力的だが、それに一歩も引かず対峙する若き新鋭・齋藤潤の存在感たるや只者ではなく、彼を知れたことこそがこの映画最大の収穫かもしれない。和田くんや映画部の部長、主人公の両親といった脇役たちの表情、仕草も実にいい。
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