寿司

カラオケ行こ!の寿司のネタバレレビュー・内容・結末

カラオケ行こ!(2024年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

中学生の情動と、ミナミ銀座の喧騒を総じて、「幻だったんちゃう?」というツッコミを入れる男の子もまた、「映画を見る部」で映画(=幻想、虚構)に生きる人間であるという現実の筆舌に尽くし難い切なさ。この「郷愁」や「どうにもならなさ」を描く作家として、山下監督の右に出る者はいない。(どうやら、野木亜希子脚本がその要素を多分に含んでるようなのだが、この喪失感は確実に山下映画に通ずるものがあると感じるが…どうかなぁ。)
映画はあらゆることに自由であるが、時間経過だけは厳格である。「声変わり」を「成長」という側面だけではなく、失う歌声の方にも目を向けさせる本作は、テーマからして「郷愁」を決定づけられている映画とも言える。

というか、カラオケという閉鎖的ロケーションなのに、きちんとカラオケがエモーショナルなシーンとして昇華できているのが痛快だった。フツーに「紅」冒頭の関西弁訳を朗読するシーン、泣いたんだけど。やめてくれ〜。
あと、上映時間が107分なのも良い。満足感がすごかった。
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