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カラオケ行こ!のsyuheiのレビュー・感想・評価

カラオケ行こ!(2024年製作の映画)
3.5
2024年の山下敦弘監督作品。

大阪の中学校で合唱部部長を務める聡実はヤクザの成田に突然カラオケに誘われる。組長主催のカラオケ大会で負けると不本意な入れ墨を彫られるという。初めは怖くて非協力的だった聡実だが人懐っこい成田に徐々に惹かれ他の組員を巻き込んで"歌の先生"に。果たして成田のカラオケ特訓の成果やいかに?

舞台の大部分がカラオケボックスと中学校が占めており登場人物もかなり限定的なため演劇みたいな雰囲気のコメディ。それでも画面はしっかり映画の絵になっておりちょっとしたシーンでも「おっ」となるし、何より主演の中学生・聡実を演じる齋藤潤とヤクザの成田を演じる綾野剛のWイケメンが魅せる。

登場人物たちの大阪弁に大きな違和感はなく、関西弁の温かなニュアンスが伝わって好印象。ヤクザも必要以上に怒鳴らないので聴き取りに苦労するシーンも少なかった。なにより本作のヤクザは極めて戯画化・寓話化された存在として描かれているのでリアリティを求めるのは野暮だろう。

コメディシーンもツボが抑えられており無理なく笑える。ストーリーは目新しさこそないものの妥当な構成。年の差イケメンコンビがじゃれ合っているだけでも眼福ではあるのだが、終盤にもう一工夫、聡実のジュヴナイル的成長を描くシークエンスがほしいところではあった。家族みんなで楽しく観れる1本。

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