yassoon

カラオケ行こ!のyassoonのレビュー・感想・評価

カラオケ行こ!(2024年製作の映画)
3.9
評判の高さは聞いていたものの、上映中に観に行けず、配信で。映画館で周りの人の笑いや涙を一緒に感じながら鑑賞したかった、というのがまず一番の感想。それくらい面白く観た。

ヤクザの人達にリアリティがないとは感じたけど、実際のヤクザのリアリティは自分も分からないので何とも言えないかな。こんなヤクザの人達がいないと言い切れないので。そして組員の中では狂児が絶対最下位にはならなさそうな歌唱力だと思うけど、そこは組長のジャッジ(というか気分?)次第なんだろう…という感じで、ツッコミどころを好意的に受け止めたくなる作品はそれだけで自分にとっては良い作品。

中川さん大人。和田くん子供(こじらせ中学生の演技が絶品だった)。聡実くんがその中間で揺れ動く。3人のアンサンブルが良すぎる。

聡実くんが狂児に徐々に慣れていくところと、カラオケBOXで聡実くんが組員に一言コメントしていくシーンが楽しかったな。怖そうに見えるけど実は優しい綾野剛、最高じゃない?

狂児にあんな車で毎日のように学校の正門の前に来られたら、学校側でも少し問題視しそうだけど、もも先生の緩い感じが先生と生徒の距離感を表してる気がしたので、そこは芳根京子の存在意義だったのだなぁと。

クライマックスの「紅」歌唱シーンは『このパターンなら絶対狂児は生きてるはず!』と思いながら観ても大量の涙が出るのだから、相当の強度だと思った。色々と張り巡らせた伏線を回収するお話の展開も見事。

今は巻き戻せないから本気で、全力で生きたほうがいい。日々を何となくすごしてるからこそ、そんなことの大切さを思い起こさせる本作、とても良かった。
yassoon

yassoon