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カラオケ行こ!のamuのネタバレレビュー・内容・結末

カラオケ行こ!(2024年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

うおおおおぉぁぁ…!!!!!泣


きっとかなり原作に忠実に再現されているのだろうなと想像する。

和山やま先生の他作品についてはコミックスまで持っているのに本作に関しては未読。そのため、読んでからにするか少し悩んだが、ジャケットのビジュアルを見てこれは映像からいっても大丈夫、間違いないと確信していた。メガホンをとったのが山下敦弘監督で、脚本が野木亜紀子さんときたら尚のことである。

和山先生の目の付け所、独特な世界観、ストーリーの切り口、空気感、展開、間合い、言葉選びは本当にセンスの塊で、絵もとても上手い。そんな先生の描く世界観やキャラクターそのものと思える綾野剛さんと、聡実役の齋藤潤さんの再現度の高さ。

聡実くんは歌わないで終わるかなと思っていたら、のあのタイミング、あの見せ方、あの歌声。まじ、組長くらい泣いた。いや、もっと泣いた。

原作へのリスペクトをひしひしと感じる愛いっぱいの映像化だった。

中学生たちのキャスティングも味があって良かったし、組関係のキャスティングでは特に伊島空さんがいて嬉しかった。

シュールさ、笑い、涙のバランスが絶妙の作品でした。


…追記…

原作漫画読んでみました!

なるほど、賛否両論あった原作ファンの方の声の答え合わせが出来ました。私は原作には無かった部分を映像化の上で足したことについてどちらかというと肯定派です。(無しにして、原作通りにして、短めの作品に仕上げるのも有りだったかもとは思う。)ですが、鮭の皮で愛は与えるものという表現をしたり、聡実くんの心情の変化を映画を観る部の静の空間で表現したり、後輩の和田くんのキャラクターの作り込み、お花畑な先生、鶴と亀の傘など、、むしろよく思いついたなというか、野木亜紀子さん凄いなと改めて思ったりした。あの傘のシュールさなどめちゃくちゃに和山先生っぽいのに原作に無かったことの方が驚きだったりもした。心情を視覚化する表現のプロの仕事を見たと思えた。

それから。随分前から綾野剛さんは和山先生のファンであると公言していたし、演じている綾野さん自身に原作に対するリスペクトが強く感じられ、漫画の狂児と顔の作りは異なるけれど、そんなこと吹き飛ばすくらいに適役だったと思う。

また、エンドロール後についてこちらも賛否両論意見があるようですが、その後の現在にほんわかできて私は全く気にならなかったです。この作品を観て純粋に面白いと感じられたように、いろんな作品をシンプルな感情で楽しめたら最高だなと思いました。
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