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カラオケ行こ!のmmsanのレビュー・感想・評価

カラオケ行こ!(2024年製作の映画)
5.0
何この心温まる作品、最高!ヤクザの狂児が中学生の聡実に歌を教えてもらうという荒唐無稽な話に見えて、歌を通して聡実の心の解放を描くという等身大の青春映画になっているのに感動。「紅」の関西弁の和訳がジワジワ効いて泣けるなんて思ってなかった。幻って、上手いなあ。刺青のエピソードもきちんと回収されて、素晴らしい余韻。
そして笑いがスベっていない。「残酷な天使のテーゼ」を声量不足で歌っている感じあるあるとなって声出して笑ってしまった。歌手から聞こえてくるままを歌詞を無視して歌うとか、その場面は出てこないけど、トボけたヤクザ仲間たちの会話がいちいち面白い。
綾野剛と齋藤潤のケミストリーも良かった。聡実の冷静で無慈悲なツッコミ完璧だった。そして綾野剛。一定のテンションで狂児を演じていたからこそ、終盤近くで、抑えていたものが溢れ出す聡実を受け止めるときに見せる表情にグッと来た。上手さを再確認。
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