Nana

カラオケ行こ!のNanaのレビュー・感想・評価

カラオケ行こ!(2024年製作の映画)
4.0
合唱部部長の岡聡実はヤクザの成田狂児に突然カラオケに誘われ、歌のレッスンを頼まれる。

組のカラオケ大会で最下位になった者に待ち受ける“恐怖”を回避するため、何が何でも上達しなければならないというのだ。

狂児の勝負曲は X JAPAN の「紅」。

この曲には様々な思いが詰まっており、狂児にっとっては大事な持ち歌だった。

聡実は、最初は狂児に対し、そしてヤクザに対し偏見と恐怖感を抱いていたが、次第に狂児に惹かれる何かを感じたのだった。

聡実自身はというと、自分の声変わりなどで、自信を無くしつつあった。

同級生の所属する、映画を観る部で時間を潰したり、それもまた彼にとっていい時間だったのかもしれない。

時折ラインで狂児にカラオケに誘われた。

狂児の組の人たちのも、聡実のアドバイスが欲しいとついてきたりもした。

歯に衣着せずに、的確なアドバイスをする聡実。

キレるものもいたが、狂児が言った『自分の悪いところ、知らないだろ?』で解決。

『『ありがとうございましたーーー!!!』』で解散。

が、恐怖を抱いた聡実は、もう狂児と会うことをやめようとする。

だけど、どうしても狂児のことが気になるのだった。

映画部の友達から、行かないの?と聞かれ、聡実はまた狂児と会うことに。

カラオケルームで、自分が考えた、狂児の声質に合った曲。

それを見せると狂児は、『かわいいなあ~お前!』と、優しいお兄さんみたいに。

全部歌ったが、間には必ず“紅”。

『紅だあああああああああああ!』を何度も聞いた。

そして、狂児の、紅に対する熱意を感じた。

個人的に、紅以外の曲はイイ感じに歌い上げる狂児をみて、紅はとても大切に心をこめて歌うが故に、決まらないのかなと思った。

そして、狂児の店の近くを私用で通りかかった聡実は、組の下っ端にぶつかり目を付けられてしまう。

たまたま通りかかった狂児は、その下っ端を始末してしまう。

その後、仕返しをされ、命とりになってしまう。

組のカラオケ大会に乱入し、狂児は病院で地獄に落ちたと聞かされ、聡実は叫んだ。

『お前ら、何してるんだよ。所詮ヤクザだな。誰が死のうとどうでもいいんな。』と。

北村一輝演じる組長が一言。

『おい。』

(・・・やばそうだな。これもしかしてコンクリつけて沈められる・・・?)

と思った瞬間。

マイクを渡し、唄え、と。
狂児への鎮魂歌だと言い放たれた。

聡実は、
『紅だあああああああああああああ!』と叫び、力強く歌った。

今までの狂児との思い出を頭に焼き付けながら。

歌い終わると、拍手喝采。

そして隣には狂児。

さすが兄さん、お手の物といった具合にかすり傷でもどってきたのだ。

それから、卒業。

新しい年度。

狂児はまた、聡実に電話を掛けた。

腕には聡実の文字。

『あ、もしもし?また新しい曲を覚えないといけないからね~』。
そんな感じで終了。


コメディ感強めで面白かった。

主題歌の紅は、リトルグリーンモンスター。
これまた良き。
Nana

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