合唱部部長の岡聡実はヤクザの成田狂児に突然カラオケに誘われ、歌のレッスンを頼まれる。
組のカラオケ大会で最下位になった者に待ち受ける“恐怖”を回避するため、何が何でも上達しなければならないというのだ。
狂児の勝負曲は X JAPAN の「紅」。
この曲には様々な思いが詰まっており、狂児にっとっては大事な持ち歌だった。
聡実は、最初は狂児に対し、そしてヤクザに対し偏見と恐怖感を抱いていたが、次第に狂児に惹かれる何かを感じたのだった。
聡実自身はというと、自分の声変わりなどで、自信を無くしつつあった。
同級生の所属する、映画を観る部で時間を潰したり、それもまた彼にとっていい時間だったのかもしれない。
時折ラインで狂児にカラオケに誘われた。
狂児の組の人たちのも、聡実のアドバイスが欲しいとついてきたりもした。
歯に衣着せずに、的確なアドバイスをする聡実。
キレるものもいたが、狂児が言った『自分の悪いところ、知らないだろ?』で解決。
『『ありがとうございましたーーー!!!』』で解散。
が、恐怖を抱いた聡実は、もう狂児と会うことをやめようとする。
だけど、どうしても狂児のことが気になるのだった。
映画部の友達から、行かないの?と聞かれ、聡実はまた狂児と会うことに。
カラオケルームで、自分が考えた、狂児の声質に合った曲。
それを見せると狂児は、『かわいいなあ~お前!』と、優しいお兄さんみたいに。
全部歌ったが、間には必ず“紅”。
『紅だあああああああああああ!』を何度も聞いた。
そして、狂児の、紅に対する熱意を感じた。
個人的に、紅以外の曲はイイ感じに歌い上げる狂児をみて、紅はとても大切に心をこめて歌うが故に、決まらないのかなと思った。
そして、狂児の店の近くを私用で通りかかった聡実は、組の下っ端にぶつかり目を付けられてしまう。
たまたま通りかかった狂児は、その下っ端を始末してしまう。
その後、仕返しをされ、命とりになってしまう。
組のカラオケ大会に乱入し、狂児は病院で地獄に落ちたと聞かされ、聡実は叫んだ。
『お前ら、何してるんだよ。所詮ヤクザだな。誰が死のうとどうでもいいんな。』と。
北村一輝演じる組長が一言。
『おい。』
(・・・やばそうだな。これもしかしてコンクリつけて沈められる・・・?)
と思った瞬間。
マイクを渡し、唄え、と。
狂児への鎮魂歌だと言い放たれた。
聡実は、
『紅だあああああああああああああ!』と叫び、力強く歌った。
今までの狂児との思い出を頭に焼き付けながら。
歌い終わると、拍手喝采。
そして隣には狂児。
さすが兄さん、お手の物といった具合にかすり傷でもどってきたのだ。
それから、卒業。
新しい年度。
狂児はまた、聡実に電話を掛けた。
腕には聡実の文字。
『あ、もしもし?また新しい曲を覚えないといけないからね~』。
そんな感じで終了。
コメディ感強めで面白かった。
主題歌の紅は、リトルグリーンモンスター。
これまた良き。