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カラオケ行こ!のtetsu0615のネタバレレビュー・内容・結末

カラオケ行こ!(2024年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

原作の良さをしっかり残してオリジナル要素も足しつつ、素晴らしく映画にしてくれた!

聡実くんと狂児、本来交わらないはずの中学生とヤクザが、聡実くんの合唱祭と変声期、狂児のカラオケ大会というタイミングで歌のレッスンという形で重なり合う、ホントにつかの間の時間を描いたコメディ作品

原作の大きな流れを芯にブレることなく描きつつ、オリジナル要素も鮮やかに足している作品。前半は雨とか傘とかが印象的に使われていて2人の出会いや会話内容もアレンジされてたりもする。狂児という名前のきっかけエピソードも割としっかり描かれているし、お姉ちゃん役の目つきよ(笑)
また、原作だとホントにちょっとしか出なかった聡実くんの両親の出番が増えており、家庭での聡実くんという描写も含めて中学生として生きているのを感じられた。

ヤクザの皆さんと絡むのは原作通りで笑ったし、モノローグのツッコミが無いことに少し物足りなさも感じたけど、セリフや表情でフォローされてたし、屋上で話す2人の姿にこの2度と来ない、交わるはずの無かったこのなんでもない時間がもう少しだけ続けばいいのにと思ったりもして、エモかった。

他のオリジナル要素として、合唱部の和田くんというめんどくさい(笑)後輩とか顧問の先生で愛を語るももちゃん先生、聡実くんが幽霊部員の映画部という要素も一つ一つがかけがえのない僅かな青春という時間にもなってるし、モチロンあの2人が交わった些細な時間も実は後戻り出来ない時間なんだとキラキラさせてくれる。

原作をしっかり受け止め、映画として良いバランスで映画化してる素晴らしい作品でした!
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