無知A

カラオケ行こ!の無知Aのレビュー・感想・評価

カラオケ行こ!(2024年製作の映画)
3.9
愛情や友情というのは、ぶつかって、初めて伝わるものなのだなと感じた。今作では、この衝突がカラオケでの歌唱によって表現されているが、『紅』という楽曲の響きが作品の内容とまさにマッチしていた。『紅』のシャウト、激唱は魂の叫びとも言えるものだった。そして、狂児の叫びである『紅』を受け、主人公が『紅』を返すという作中の流れは、まさに友情であり愛情だと思った。どんなに口下手でも、どんなに立場が違えども、歌が二人の溝を埋め、より良い関係を築きあう礎となっているのだと感じた。

総じて、今作は、やはり音楽の力は偉大だなと再確認させられる作品だった。私も、若い頃はよく友人を連れてカラオケへ行ったものだが、今思うと、これは非常に大切な事だったのだと思う。思春期の複雑な悩みや、そこから生まれる感情というのは、恥ずかしかったり難しかったりで、中々言語化出来ない。だが、カラオケという環境、音楽がいつもこれを表現してくれていたのだなと、今では思う。普段は大きな声で言えない心のモヤモヤが、歌う事で、知らず知らずのうちに音へ変換されていく。端的に言うと、カラオケは素晴らしい。だから、カラオケ行こ!



(内訳)
面白さ 3.8
学び 3.9
構造 3.9
無知A

無知A