う〜ん…。見る人の年齢を選ぶ、その割にはちぐはぐ、という印象かな。
芥川の「鼻」モチーフ、動画無料公開、短編だから細かいことは無視してメインの話のみで押し切る感じは、ターゲットは10〜20代の若い子で龍也や文に共感してもらい「『鼻』を読んでみたい!」となるところが着地点なわけですよね?
しかしそれにしては永山瑛太と川栄李奈というキャスティングが演技派ベテランすぎる。若い子狙いなら名前も知らんような瑞々しい子を出しても良かったし、自分のような大人に観せたいのならもっと残虐さやエロさ、華麗なるカッコよさを求める、これだけ手練れの2人が主演ならば。
若い子向けなのにメイン曲があの娘とスキャンダルと藤井フミヤの新曲というのもよく分からない(藤井フミヤの若い子向けの販促ということなら分かるが)。
CMの監督さんだから分かりやすくしたいのは分かるんだけど、「駐車場もないコンビニで従業員のあんなデカいバイクをあんなとこに停めてたら変」「クライマックスを長回ししたいのは分かるけど(そしてとても美しかったけど)、もしもし通行人が見てますよ〜」みたいな小さな違和感が、大人には積み重なっていく。
だからこそ、そういうのが気にならない「タイパ、ファストムービー」みたいな若い子向けなんだろうなと思ってたんだけど…(最初に戻る)。
この2人ならファンタジー、アクション、バイオレンス、コメディ、ヒューマンなど何でもできるだけに、この作品を観て触発される次の作り手に期待したい。大人は金払ってでも永山瑛太と川栄李奈のそういう作品が観たいです。