11/11［土］ ベルブホール
【D-1】 TAMA NEW WAVEある視点ーVol.1ー

心がザワザワした！　心が震えた！

俳優「海老沢七海」の熱量がほとばしる！

俳優を目指してオーディションを受けては落ち続ける日々。才能もあり演技も素晴らしいが、熱すぎて空回りして役がもらえない。

それでも同棲中の彼女と過ごす日々は楽しく、夢を諦めない青春の日々だったのだが…

おそらく俳優あるあるがすごい詰め込まれた脚本。みんなの情熱も痛さも、みんな伝わってくる。

これハッピーに行くのかな？　それとも悲劇で終わるのかな？

心がザワザワしながらスクリーンに引き込まれる。

芸人で言ったら『火花』みたいな、剥き出しの青春がここにある。

熱量で言ったら『宮本から君へ』に負けないエナジー！　ラストシーンまで目が離せない。

日下玉己監督『冗談じゃないよ』はマジで傑作！　今日はこの作品に出会えてよかった。来年には一般公開が控えているということで、全力でオススメします。

今年もムーラボとOPの時期がやって来たよ！コロナ禍でホラー秘宝もリバイバルしかやらんくなったし、洋画観なくなって久しいからば未体験ゾーンとかカリコレもおもんないし、ムーラボとOPが1番楽しみな恒例イベントなんやが、例年の如くスケジュール丸かぶりで困る〜ゲラゲラ
ってことでまずはムーラボのん！主人公の彼女役の女優さんどっかで見たことあるよなぁ？思いながら観ていたらば……出演兼監督やったとわね！

役者としてオーディションの日々、演技の力はあるんやが熱意が空回りし過ぎて連戦連敗なんよね……って話

主演の海老沢七海さんが30代に突入するも俺には代表作がない！代表作が欲しい！と一念発起し役者仲間で短編を撮ったことのある日下玉巳さんに監督をお願いし作り上げた魂の一作！そんな自主制作的な作品なのにみんな大好き松浦祐也を筆頭に豪華なキャスト陣も！

うん申し訳ないんやが、マシンボーイは自分ではインディーズの邦画とか結構観ている方やと思っているんやが、海老沢さんの事は存じ上げず……、でもそれが、ほぼほぼ自伝なんかな？知らない役者が売れない役者を演じるリアリティの没入感に繋がっていたし、若手役者あるあるが随所に詰め込まれているんもどれも臨場感が素晴らしかったね

まぁ、この海老沢さん演じる主人公の江田がまたどえらいクソ野郎やからば逆に自伝っぽい作品でこのキャラとか海老沢さんのイメージ大丈夫？とは思ったけどね、逆に周りが優し過ぎひん？ワシが大工の棟梁ならあんな荷揚げ屋次は呼ばへんし、ワシが居酒屋の店長ならソッコー出てってもらうけどね、特に彼女とのあのシーンはダメ男の全てが描かれていて、あぁ……、ってなった！
でも舞台挨拶で日下監督は、江田がクズやけど愛されないキャラになっていたら本作は失敗言うてたけども、マシンボーイはずっと江田の事は嫌いやったし、「冗談じゃないよ」ってタイトルも、どの口が言ってんねん！思ってましたが、ただ作品自体は愛せる作品になっていたんで失敗とは思わんかったかなぁ

うん、日下監督がまだ初長編の若い方なんやが、作品の隙のなさには恐れ入ったし、同じ境遇を過ごす役者でもあるっつ〜ことで熱量が半端なく、これは今後の活躍も楽しみやし、こうして産まれるべき場所から素晴らしい作品が産まれるっつ〜生い立ちがとにかく最高な作品やなぁ、なったね

ちなみに松浦祐也の出演はわかるんやが……竹下景子の登場はどういうことよ？なんのツテよ？似てる人？思いながら観ていたっつ〜のよ、あと大橋未歩？大橋未歩か？大橋未歩やなぁ……ともなったね
あ、アベラヒデノブ演じるバイト仲間は最高！

ただ皆の夢が叶うだけのハッピーエンドを描くだけでは捉えきれない、日々のささやかな煌めきや熱を余すことなく発している作品。

主人公の江田丈は度々飛ばされた先の惑星で、走り、転び、踊るわけだが、最後は結局他のどこでもない地球で、腹の底から叫ぶ。
ただ一人、丈だけが「冗談じゃないよ」と叫びたくなる程に容赦無い現実ではあるものの、淀みのない光が見えた瞬間でもあった。
丈を演じた海老澤七海の自然な演技はどこまでも切実で、胸が苦しくなる場面も多々あった。なんとなく、彼にはずっと主人公でいて欲しい。報われてほしい、という同情が伴う感情とはまた違うのだが、本能でそう感じた。

他人に評価されるという経験を繰り返した末、既にゴミと化したかつての自分軸が再評価されるという過程ほどに腹が立つものは無いが、ゴミ箱を漁る訳にもいかない。
そんなジレンマが蔓延る環境で、自分らしさと下される評価を相対的に考えながら常に自身を脚色しなくてはならない役者という職へのリスペクトもこの作品を通して一層増した。
それに加えて監督、脚本をこなした日下監督は新進気鋭の若手として更に飛躍していくに違いないだろう。
監督、脚本から独自の質感が滲む世界観と存在感ある演技をこなす日下監督個人に対して、シンプルに興味をもつ人はこの先増える一方だろう。今後の活躍にも期待したい。